お知らせ
レーザー治療を求め県外から来院
半導体レーザー装置を使った治療に力を入れる
半導体レーザー装置を使った治療に力を入れる。
光の出力や照射方法によって様々な症状に対応できるためクチコミなどで評判が広がり岡山県外からも来院する。
消炎鎮痛や神経の修復促進作用があり椎間板ヘルニアは、外科手術なしで改善させるという。
池島修二院長は、「半導体レーザーを使えば外科手術を避けられるケースがあり麻酔時間の短縮や痛みの軽減につながる。動物の体への負担を最小限に抑えられる」話す。
この日は柴犬(12)に半導体レーザーを使った。1日のうちに何度も嘔吐し。血尿が出たという。胃潰瘍などの消化器系の病気が疑われた。
筋肉注射で全身麻酔を施し、口から内視鏡を挿入。食道に軽い炎症、幽門部分には赤く晴れたポリープと出血班が確認された。
内視鏡の鉗子口からレーザーファイバーを入れ、隆起したポリープ3個と潰瘍化した病変部3箇所程度に直接照射して蒸散させた。
この間15分。引き続き歯石除去と去勢を行い、開始から30分で手術が終わった。
その後念のため撮影した胸腹部のレントゲンで前立腺肥大症が見つかった。前立腺が骨盤腔いっぱいに腫れていたため定期的に体表面からレーザーを当てることにした。
池島院長は、前立腺が直腸を圧迫して便が出にくくなる場合もあり便秘で受診することも多い」と注意を促す。
(山陽新聞に掲載されました)
2022年01月13日
腫瘍の半導体レーザー治療
抗がん剤の局所投与可能
犬・猫の体にがんができた時、治療の選択肢の一つとして、がん細胞を熱で死滅させる半導体レーザー治療がある。
高齢や転移が進んで手術が難しい犬・猫に対して、負担の少ない治療として研究が進んでいる。
ICGは体内に投与すると腫瘍や炎症を起こしている部分に集まる性質があり、レーザー光を吸収すると発熱して腫瘍細胞を死滅させる効果を生むほか活性酸素を誘導して免疫力を高める。
腫瘍治療の第一段階では、半導体レーザーのみ使用。
週1、2回で1回5分程度、およそ1ヶ月続ける。
第二段階では、ICGを投与。リンパ肉腫や乳がんなど体表面部に近い腫瘍には直接注射し、肺がんなど内臓の腫瘍には、点滴で投与する。
点滴の場合、ICGは光に弱いため暗室で1から2時間かけてゆっくり投与する。
投与後にレーザー照射を施す。
免疫製剤を併用しながら腫瘍の状態を診る。
腫瘍の増大や転移を抑制し、寛解の状態にすることができるという。
池島院長は、「がんの進行度や部位によって根治が望めることも」と話す。
この治療の効果が高いのは、血管肉腫など血管が多く集積した腫瘍、メラノーマなどレーザー光を吸収しやすい腫瘍、リンパ腫など。
がんが全身に転移して手術が難しいケースなどにも適用する。
飼い主の意向で、手術を希望しない場合にも適用可能だ。
池島院長は「手術の負担が大きい高齢の犬・猫にとってメスを入れることなく寛解の状態を維持できる治療法として期待できる」と話している。
(山陽新聞に掲載されました)
2022年01月13日
半導体レーザーで椎間板ヘルニアの治療
半導体レーザーで椎間板ヘルニアの治療
動物病院では、腫瘍や疼痛など幅広い疾患治療に半導体レーザーが活用されている。
人気犬種ミニチュアダックスフントやフレンチブルドッグなどに多発する椎間板ヘルニアにも効果が高く体にメスを入れる手術以外の治療手段として注目されているという。
半導体レーザー治療に力を入れているいけしま動物病院の池島修二院長に椎間板ヘルニアの治療について聞いた。
椎間板ヘルニアは、背骨の椎間板が変形して神経を圧迫し、強い痛みや後ろ足の麻痺を引き起こす疾患。
圧迫の原因を手術で取り除くのが一般的だが全身麻酔が必要で高齢の犬には負担が大きく適用できないケースがある。
再発しやすい疾患でもあり、何度も手術するのを飼い主が希望しないケースは多い。
手術が選択できない時の治療手段となるのが半導体レーザーだ。
レーザー光の強さを調整して体の外側から照射すると傷んだ神経を修復し、痛みを和らげることができる。
麻酔が必要なく、治療に痛みはない。
レーザー治療の手順は次の通りだ。
椎間板ヘルニアを発症し、突然のまひで動けなくなった場合は、最初の1週間で2回レーザーを照射する。
1回当たりの照射時間は5から10分程度で背骨に沿って当てていく。
池島院長によると「ほんのりとした温かさで治療中は、犬も気持ちよく感じるようだ」という。
その後は週に1回の照射を3回程度続けることで、歩ける状態まで完治させることもできるという。
治療後にまひが残った場合は、月1から2回の照射を続け、症状の改善や現在の状態を維持することを目指す。
治療期間中は自宅での過ごし方に注意する。
最初の1週間はケージに入れて安静にさせ、無理に動いて症状が悪化するのを防ぐ。
治療の効果が出て徐々に動けるようになれば、部屋や庭など狭いスペースで少しずつ歩かせ、犬の様子を見ながらリハビリを進める。
池島院長は「高齢の犬が増えており、手術ができないケースは今後
増えてくる。手立てがないと諦めずレーザー治療も検討してほしい」と話している
(山陽新聞に掲載されました)
2022年01月12日
野犬飼う際の注意点!!
野犬飼う際の注意点は 寄生虫感染や健康状態調べて
野犬を保護した場合、寄生虫に感染している可能性が高い。
体の表面につくノミやダニ、蚊が媒介するフィラリアやノミが
感染源となる瓜実条虫(うりざねじょうちゅう)などだ。
山あいの地域では、イノシシなど害獣用のわなに足を挟まれ、
けがをしているケースもある。
実際に飼うとなれば、まずは健康状態を調べる必要があるが、
無理やり動物病院に連れていくのは避けてほしい。
病院が「怖い場所」になってしまい、その後の通院に支障をきたす場合もある。
当院では来院が難しい時は画像を見て、すぐに治療が必要かどうかを
アドバイスしている。
犬の体全体と傷や皮膚の異常がみられる部分の写真からある程度の
目安を立てられるだろう。
足をひきずるなど動きがおかしいなら動画を撮影してもらうとより分かりやすい。
ふんがあれば、寄生虫も調べられる。
また、野犬は保護しても必ず逃げようとする。
リードに確実につなぎ、その犬に合った運動量の散歩をしてやる。
ストレスをためさせないようにすることが大切だ。
2017年08月07日
かゆみや発疹があればすぐに受診を!
夏に多い皮膚病
夏は、犬や猫に皮膚病が増える季節
症状を見つけたら、悪化させないうちに早目に動物病院で治療することが大切。
夏に多い疥癬と皮膚真菌症についての症状や治療法。
<疥癬>
ヒゼンダニに感染することで発症する。症状が出やすい部位は、犬は耳や脇、内股など。
猫は耳やあごなど。
皮膚に寄生したダニが角質層から進行し真皮にまで到達。
産卵sにて増殖する。
ダニのふんや皮膚の破壊などによって患部に炎症が起き、激しいかゆみや発疹などの症状が引き起こされる。
免疫力が弱っていると全身でダニが繁殖。かきむしるまどして症状が悪化すれば、皮膚が硬くごわごわになり、フケのようになってはがれてくる。
治療開始が遅れれば治るまでにより時間がかかる。
少女が出やすい耳などはこまめにチェックし、発疹などが出ているようなら、すぐに動物病院を受診する。
治療は、抗疥癬薬(ドラメクチン、イバメクチンなど)の注射が基本。
重症の場合、免疫療法も併用する。
かゆみ止めの塗り薬を使用することもある。
治るまでには1ヶ月程度、再発を防ぎ、感染を広げないためにも治療は途中でやめない事が大切だ。
<皮膚真菌症>
いわゆるカビである真菌(小胞子菌や白癬菌など)に感染し発症する。
水虫、たむしなどと呼ばれている。
犬、猫の場合、耳や顔の周り、足など全身のどこにでも症状が現れる。免疫力が落ちていると症状が出やすい。
発疹を伴う円形の脱毛が起こるのが特徴。
菌の胞子が体中に散り、他の部位に感染が広がっていく。
動物の場合かゆみのないことが多いが、個体差が大きく、かゆみが強いケースもある。
治療法は、抗真菌薬を患部に塗るか、内服が一般的。
疥癬と同様、治療には最低でも1ヶ月程度は、かかる。
飼い主が自己判断で治療をやめないよう、必ず獣医師の指示に従う。
<防ぐには>
疥癬も皮膚真菌症も、感染した動物との接触でうつる。
動物から動物はもちろん、動物から人へもうつる。
ダニやカビが増えにくい環境にするため、家の中、犬や猫の寝床などをこまめに清掃、消毒することで感染の危険性を減らせる。
感染の可能性が高い野良猫が多いエリアで犬を散歩させるのは、避ける。
複数の犬や猫が集まるペットホテルやペット美容室、ドッグランなどで感染するケースもあるので、スタッフに消毒の頻度を尋ねてみるなど、飼い主が出来る範囲で衛生管理状況をチェック。
過去に富フ病になった経験のある犬・猫の場合、夏の間は、これらの施設に連れて行くのを避けるのも手だ。
十分に免疫力を持っていれば、感染して症状が出ない事も多いが、夏は、暑さや脱水で免疫力は落ちやすい。
「必要な栄養素が備わった餌をきちんと与え、ストレスをなるべく与えない飼い方をしてほしい」と呼び掛けている。
2016年07月26日
狂犬病 年1回のワクチンの大切さ
狂犬病 年1回のワクチンの大切さ
狂犬病ウィルスは感染した動物の唾液に含まれ、噛まれるなどして人間の体内に入ると中枢神経に達し、高熱や全身けいれん、呼吸障害などを引き起こし命を奪う。
発症までの潜伏期間が1~3か月と長いのが特徴で、数年かかることもある。発症前なら処方に沿ったワクチンの連続投与で発症を抑えられることもあるが、いったん発症すると有効な治療法はない。
一般に犬の病気と思われがちだが、実はネコやキツネ、コウモリなどでも数多く確認されており、人を含めて全ての哺乳類で感染の可能性がある。
日本は、1950年に狂犬病予防法を制定し、予防接種を義務化され1956年に1人が死亡した後、国内での発生は報告されておらず、短期間で撲滅を果たした。
以後の死亡例は海外で感染した人に限られる。一方、世界では今も年間約5万5千人が狂犬病で死亡している。うち、3万人超がアジア地域。感染例の9割以上が犬に噛まれたことによるという。
2013年7月には、日本と同様に半世紀以上発生が無かった台湾で、野生のイタチアナグマが感染していることが判明し、以後感染が広がり、2014年に12月までにイタチアナグマや犬のほか、ジャコウネズミ、ハクビシンでも確認された。
農林水産省によると、世界で狂犬病の発生が認められない「清浄国・地域」は、日本、豪州、ニュージランド、フィジー諸島、ハワイ、グァム、アイスランドの7カ国・地域のみだ。
現在、日本国内の登録件数に基づく狂犬病予防接種の接種率は、72.6%(13年度)。岡山県は57.8%と全国ワースト2位。接種をしても市町村に届を出さない人がいる一方で、犬を飼っていても市町村に登録していない人も多く、接種率の数字自体、信ぴょう性に欠けるとの指摘もある。
厚生労働省などによると、狂犬病の予防接種不履行には、罰則規定はあるものの、実際にはよほど悪質な場合でないと適用されないといった事情があるようだ。
わが国は、世界でも数少ない「清浄国」。世紀のルートで輸入される動物には検疫がある。しかし、密輸、外国船上で飼われる犬など、コンテナその他の貨物に動物が紛れ込むケースなど狂犬病ウィルスが再び国内に侵入する危険性はいくらでも考えられる。
世界地図をみれば、実は既に入り込んでいるかもしれないとさえ思える。
厚労省結核感染症課は「かわいい飼い犬や自分のためだけでなく、社会に対する責任として、犬を飼うときは市町村に届け出をし、必ず狂犬病の予防接種をうけさせて欲しい」と呼び掛けている。
4~6月は、狂犬病予防注射月間なので必ず接種しましょう!
2016年03月31日
熱中症の予防と応急処置
熱中症の予防と応急処置
急激に気温が高くなり、各地で夏日を記録する5月。この季節に特に増えるのが犬の熱中症です。
「夏の病気」と油断していると命取りになるケースもあります。人間の場合は、気温が高くなると全身の汗腺から汗が出て体温を一定に保とうとしますが、犬は足裏などを除いて体温調節機能をもった汗腺がなく、ハァハァと息を吐く事で熱を放出します。しかし人に比べて体温調節の効率が悪く、体内にこもりやすくなっています。汗腺が少ないのは体毛に覆われていることと関係があるようです。
熱中症は、体内温度の急激な上昇により、血液が濃縮して起こり、脱水が進行し脳への血液の流れが悪くなると、痙攣や失神の症状も。心不全を起こしたり、唾液成分が肺に漏れ出して肺水腫になることも多く処置が遅れると死に至る可能性が高くなります。サインとしては、まず呼吸が荒くなったり、目の充血やよだれがひどくなります。胃腸の粘膜がただれると、下痢やおう吐も出てきます。
飼い主がそれほど暑くないと油断している分、「注意が必要なのは5、6月」犬の体が暑さに慣れていない今の時期、車内やクーラーのない室内に放置したり、気温や湿度の高い時間に散歩させ、病院に運ばれるケースが急増しますが飼い主が熱中症と気付いていない場合が多いようです。もし発症した場合は、飼い主による応急処置がとても重要です。呼吸異常に気付いたら、まず肛門に指をあてて熱を確認しましょう。体の表面はひんやりしていることが多いのですが、直腸温は40度以上となっており、非常に熱く感じます。処置としては、シャワーだけでは、体表を水が流れ落ちてしまい効果が薄いので浴槽やバケツなどに水を入れて犬の全身をつけながらまず腹部全体を冷やします。足の付け根など太い血管が通る部分に保冷剤を当てるのも効果的。マヨネーズの空き容器などを使い肛門から冷水を入れるのも良いです。
呼吸が落ち着くまで処置を続けながら病院に連絡をして頂き指示を仰いで下さい。回復したように見えても内臓にダメージがあれば”突然死”することもあります。病院では応急処置と並行し必要に応じて血液検査などを行い、生理食塩水やステロイド剤等の点滴で水分補充、循環器不全の改善を図ります。
治療は、時間との勝負です。発症すれば人の場合よりずっと早く悪化し、重症化すればまず助かりません。予防が何より重要です。もともと呼吸がしずらく体温調節がより難しいパグ等の短頭種、心臓や呼吸器に疾患のある犬は特に注意が必要です。
2015年06月11日
猫の心筋症
心臓負担かかる冬に高リスク 息づかいや歩き方の変化注意
心臓は体中に血液を送り出す大切なポンプ。心機能が低下すると酸素や栄養素が行き渡らず、全身に症状が現れ、突然死するケースもある。猫の心臓疾患で特に目立つ心筋症についてをお送りします。
心筋は心臓を構成する筋肉。何らかの原因で厚くなったり薄くなったりし、心臓の動きが弱くなる。気付かないうちに進行していきなり症状が出るため、「特発性」の文言が冠される事もある。
心筋が分厚くなる「肥大型」、風船のように薄く伸びる「拡張型」、硬くなる「拘束型」の三つに大別され、猫ではほとんど肥大型だ。
肥大型は心臓の壁が厚くなるため、心臓内のスペースが減り、心臓から全身に血液を送り出すためのとおり道も狭くなる。細いところから血液を出すには通常より強い力が必要で、心臓に掛かる負担は大きくなる。
心機能が落ちると激しい運動ができなくなるほか、食欲不振や咳、嘔吐などの症状が出る。重症の場合は肺や胸に水がたまって呼吸困難に陥ったり、不整脈で失神や、場合によっては死を招く。急に脚がまひして動かなくなったと来院する例も多い。
脚のまひは、心臓の収縮不全で生じた血栓が動脈を通して運ばれ、脚の根元の血管に詰まって引き起こされる。血流が滞って肉級の色が白くなったり、脚が冷たくなるほか、痛みで激しく鳴く事もあるという。
レントゲンや心臓超音波検査(心エコー)、血液検査などで診断。まずは安静を保ち、血栓溶解作用のある冠動脈の拡張剤を中心に、症状に応じて強心剤や利尿剤などを投与して改善を図る。
いったんまひした脚も、温浴マッサージや薬剤療法で回復させることができるといい、順調にいけば1~2ヶ月で症状は落ち着く。ただし再発率が高いため、油断はできない。
冬場は末梢神経が委縮して負担がかかるため、特に発症しやすい。
具体的な予防策はないが、息づかいや歩き方など、日ころの動作の変化に注意を払って。
2015年01月06日